碁には「実利」と「厚み」という言葉があることを
覚える機会がやってくると思います。
囲碁は陣地を取るゲームですが、
最初から陣地をひたすら取り続ければ
勝てるというほど、単純ではありません。
陣地を取りに行こうとすればするほど、
将来的な可能性は低い手になります。
逆に、碁盤の中央や辺に向かって働く手を打てば打つほど、
陣地はすぐに手に入らない反面、
将来に向けて可能性が高い手になります。
ここで言う「可能性」とは、
・将来、大きな陣地を手に入れることができる
・将来、戦いが起こった時に戦いを有利に進められる
という意味での可能性を言います。
囲碁では、これを、
「実利」と「厚み」という言葉で表します。
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├●●●○○○┼┼┼┼┼○●┼┼┼┼┤
├●○○┼┼┼┼┼・┼┼┼○┼●┼┼┤
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├┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○○┼┤
├○○┼┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼○●┼┤
├●○○○┼┼┼┼・┼┼┼┼┼・●┼┤
├●●●┼●●┼┼┼●┼┼●┼●┼┼┤
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実利:陣地(黒)
厚み:辺や中央に対する石の影響力(白)
そしてこれは、片方を手に入れると、
多くの場合、片方を失うものとされています。
また、打つ人の棋風によって、
序盤から足早に陣地を囲って「実利」を取りに行く人と、
「厚み」を次々と作って、戦いに備え、
力をためる人に分かれます。
どちらの方が正しい、ということはありません。
そして、現実の世の中でも、
目先の利益を追いかけるか、
将来に備えて、準備や我慢をするか、
という選択をする場面は、度々現れるものです。
例えば、将来可能性があるからと言って、
延々と厚みを築いているだけでは、
碁に勝つことはできません。
何故かというと、碁の勝敗を
最後に決めるのは、囲った陣地の数だからです。
相手を攻めたり、新たな厚みを生かしたり
互いの石の生き死にに関わる場所がなくなってくると、
碁は戦いから、お互いの陣地を囲い合い、境界線を決める
「ヨセ」という段階に映ります。
つまり、相手を攻めたり、陣地を囲うタイミングを逃すと、
その厚みを生かすことができずに
終わってしまうこともあるのです。
自分の意志、目指す夢や目標をどこまで貫いていくのか?
今まで自分が築き上げてきたものを元に、
目標を次の段階へ、いつ、どのタイミングで切り替えるのか?
囲碁は、そういった、今の状況を踏まえて
自分の意志で決断するという場面に、何度も立たされます。
「結婚は大ヨセ」という話を聞いたことがありますが、
碁がそう例えられる由縁も、そんなところにあるかもしれません。
あなたは、「実利」派ですか?
それとも、「厚み」派ですか?
@飯田橋の喫茶店にて
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